PMPのPDUの稼ぎ方|60 PDUは、ビジネス書5冊分の読書時間だった

PMP・プロジェクトマネジメント

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PMPに合格して、少し経った頃。ふと思い出したように、その話がやってきます。

3年で60 PDU。

合格そのものに気持ちを全部使っていたので、更新の話は後回しにしていました。いざ調べてみると、出てくるのは「60 PDU必要です」という一文ばかりです。60が何の単位なのかが、どこにも書いてありません。

試しに「PDU 取得」で検索すると、講座やセミナーの案内が並びます。数千円のものもあれば、数万円のものもある。これを60個ぶん買わないといけないのか。そう読めてしまいます。

先に結論を書きます。PDUは、お金で買うものではありません。単位は「時間」です。

この記事でお渡しするのは、60 PDUを一円もかけずに埋めていく方法と、私が実際に申請したときの記入内容そのものです。

60 PDUは、ビジネス書5冊分

覚えるのはこれだけです。

60 PDUは、ビジネス書5冊分。

PDUは Professional Development Unit の略で、学習1時間=1 PDUで数えます。0.25刻みなので、15分単位で申告できます。

そして、この「学習」には読書が含まれます。CCRS(PMIの申請システム)で Education > Read を選び、読んだ本と時間を入力すれば、それがそのままPDUになります。

私が実際に申請した2冊は、こうなりました。

  • 『7つの習慣』 — 14時間 → 14 PDU
  • 『ワーク・シフト』 — 12時間 → 12 PDU

厚めのビジネス書1冊で、だいたい12〜14 PDUです。60 PDUというのは、この5冊分ということになります。

3年で5冊。そう置き直すと、急に手が届く数字に見えてきます。そう言い切れる理由を3つ挙げます。

根拠1:制度上、読書だけで60 PDUまで積める

まず、読書が「おまけ」の手段ではないことを確認しておきます。

PMPの更新(CCRプログラム)は、PMI日本支部の案内にあるとおり3年ごとに60 PDUです。この60は、大きく2つのカテゴリーから集めます。

  • Education(学ぶ活動)— 最低35 PDU。上限はありません
  • Giving Back(還元する活動)— 上限25 PDU

ここが見落とされがちなところです。上限が設けられているのはGiving Backのほうで、Educationには上限がありません。つまり、60 PDUすべてをEducationで埋めても制度上まったく問題ありません。そして読書はEducationです。

ただし、Educationの中には配分のルールがあります。Talent Triangleと呼ばれる3つの分野で、それぞれ最低8 PDUが必要です。

  • Ways of Working — 進め方・手法の領域
  • Power Skills — 対人・リーダーシップの領域
  • Business Acumen — ビジネス理解の領域

申請するときに、取得PDUをこの3分野に割り振ります。冊数だけ数えていると、ここでつまずきます。この点は後で、私の実際の数字で説明します(配分の細かい条件はCCRハンドブック日本語版に載っています)。

ちなみに更新そのものにかかる費用は、PMI会員で60ドル、非会員で150ドルです。PDUを集める費用がゼロなら、更新にかかるお金はここだけになります。

根拠2:ビジネス書1冊は、12〜14 PDUだった

2つ目は、実際にやってみた数字です。

「読書でPDUが取れる」と聞いても、1冊で1 PDUや2 PDU程度なら、正直まったく割に合いません。60に届く前に心が折れます。ここが一番知りたいところなのに、書いてある記事がほとんどありません。

私の実測はこうでした。

読書時間 申請PDU
『7つの習慣』(Stephen R. Covey) 14時間 14 PDU
『ワーク・シフト』(Lynda Gratton) 12時間 12 PDU
2冊の合計 26時間 26 PDU

2冊で26 PDU。60 PDUの43%です。

どちらも、通勤や休日にすこしずつ読み進めただけの本です。特別に速く読んだわけでも、更新のために選んだ本でもありません。読もうと思って買った本を、読んだ時間ぶん申告しただけです。

逆に言えば、水増しは効きません。1時間で読み終わる本は1 PDUです。薄い本を何冊も並べるより、じっくり読む価値のある本を選んだほうが、結果として数字も伸びます。制度の設計としては、まっとうだと思います。

根拠3:Udemyもウェビナーも見たうえで、読書が残った

3つ目は、他の手段と比べた話です。

PDUを稼ぐ手段は、読書だけではありません。私も一通り検討しました。

  • Udemyなどの動画講座 — 視聴時間がそのままPDUになる。ただし有料
  • 無料ウェビナー — 費用はかからない。ただし開催日時が決まっている
  • セミナー・フォーラム — 一度に多くのPDUが取れる。ただし参加費と、その日を空ける必要がある

比べてみて、読書が残りました。理由は2つです。

無料であること。そして、時間を選ばないこと。

無料ウェビナーは費用の面では読書と同じですが、平日の夜や日中に開催されるものが多く、その時間に予定を合わせられるかどうかが毎回の関門になります。仕事を持ちながら3年で60を積むなら、「都合がついたときにしか進まない手段」は主軸にしづらいというのが実感でした。

読書には、その関門がありません。電車の中でも、寝る前の30分でも進みます。しかも、PDUのために特別な時間を作る必要すらありません。もともと読んでいた本の時間を、記録するだけです。

デカルトは『方法序説』で、良い書物を読むことは過去のすぐれた人たちと語り合うようなものだ、という趣旨のことを書いています。更新のための作業だと思うと億劫ですが、実際にやっていることは、それだけの話です。

実際の申請画面に、私が何を書いたか

ここからは具体的な話です。CCRSの申請画面で、実際に何を入力するのか。『7つの習慣』を申請したときの中身を、そのまま出します。

入力項目 実際に入れた内容
Author(著者) Stephen R. Covey
Title(書名) The 7 Habits of Highly Effective People
Description(説明) 英語で2〜3文。何を学び、それをプロジェクトマネジメントの実務にどう活かすかを書く
URL 任意。Amazonの商品ページを入れた(空欄でも可)
Date Started(開始日) 06/23/2026
Date Completed(完了日) 07/06/2026
PDUs Claimed(申請PDU) 14

入力するのは、これだけです。領収書も、修了証も、読んだ証拠も添付しません。

つまずくとしたら2か所です。日付が MM/DD/YYYY 形式であること。そしてDescriptionを英語で書く必要があることです。とはいえ「この本から何を学び、実務でどう使うか」を2〜3文書くだけなので、身構えるほどではありません。

そして、忘れてはいけないのがTalent Triangleの配分です。取得PDUを3分野に割り振ります。私の2冊はこうなりました。

PDU Ways of Working Power Skills Business Acumen
『7つの習慣』 14 3 11 0
『ワーク・シフト』 12 1 3 8
合計 26 4 14 8

ここに、根拠1で触れた落とし穴が出ています。

Power Skillsは14、Business Acumenは8。どちらも最低ラインの8をクリアしています。ですがWays of Workingは4しかありません。

『7つの習慣』は人格と対人関係の本、『ワーク・シフト』は働き方とビジネス環境の本です。本の内容がそのまま配分に出るので、似た系統の本ばかり読むと、特定の分野だけが太っていきます。

だから冊数だけを数えていると、5冊読んだのに更新できない、ということが起こり得ます。3冊目を選ぶときは、内容ではなく「どの分野が足りていないか」から逆算する。これが実際にやってみて分かった、いちばん実務的なコツです。

「読書で本当に通るのか」という不安について

ここまで読んで、まだ引っかかっている人がいると思います。私もそうでした。

自己申告で、証拠も出さない。それで本当に通るのか。あとから取り消されたりしないのか。

私の実際は、こうでした。

  • 承認は、その場で即時ではなかった。ただし、待たされた記憶がない程度にはすぐ下りた
  • 証明書類の提出は求められなかった
  • あとから確認の連絡が来ることもなかった

2冊とも、同じでした。拍子抜けするほど、あっさりしています。

ただし、これを「証拠がいらない」と読むのは違います。PMIには無作為に選ばれる監査(Audit)があります。当たれば、申請した活動について説明を求められます。

とはいえ、身構える必要もありません。本当に読んだ本を、読んだ時間ぶん申告しているなら、答えられないことは何もないからです。私は本の現物と、読みながら取ったメモを残しています。それで十分です。

逆に言えば、読んでいない本を申告したり、時間を大きく盛ったりすると、ここで困ることになります。証拠を出さなくていい仕組みは、正直に使う人にとってだけ楽な仕組みです。

読んだ時間を数えはじめると、60 PDUは遠くない

——いまのあなた。

更新期限のメールを開いて、そっと閉じました。60という数字だけが頭に残っています。「PDU 取得 無料」で検索し直そうとしています。

——読んだ時間を数えるようになったあなた。

通勤電車で読んでいる本が、そのまま更新の材料になっています。手段を探す時間が、まるごと消えています。

この本、あと何時間で読み終わるかな。

——読み終わったら、開始日と完了日を入れるだけです。

少し、私自身の話をさせてください。

私はいま、更新サイクルの1周目の途中で、49 PDUまで来ています。内訳は、読書が26 PDU、PMI日本支部の年次フォーラム2回で23 PDUです。フォーラムは会員価格で、2回あわせて1万円ほどでした。

そして、正直に書いておきたいことがあります。私が「読書でPDUが取れる」と知ったのは、そのPMI日本支部のセミナーででした。

公式サイトを開いて、更新のページを読んでいるだけでは辿り着かなかったのです。同じ資格を持っている人の話を聞いて、はじめて知りました。知っているかどうかだけで、かかる費用が何万円も変わる。この記事を書いているのは、そこが理不尽だと思ったからです。

あと11 PDU。もう、どうやって集めるかは考えていません。読みたい本を読んで、時間を書くだけだと分かっているからです。

今日、読みかけの本の「読み始めた日」を思い出してください

最後に、いまできることを書きます。

いま読みかけの本を思い浮かべて、読み始めた日を思い出してください。それが、あなたの最初の申請の Date Started です。

思い出せなくても構いません。次の1冊から、読み始めた日をメモしておく。それだけで準備は終わりです。あとは読み終わった日と、かかった時間を足すだけ。1時間=1 PDUです。

やることを整理すると、こうなります。

  • 読み始めた日と、読み終わった日をメモする
  • ざっくりでいいので、読んだ時間を積み上げる(0.25刻みで申告できます)
  • 読み終わったらCCRSで Education > Read から申請する
  • 3冊目からは、足りていないTalent Triangleの分野から本を選ぶ

更新は、期限が近づいてから慌てて片づけるものだと思われがちです。ですが60 PDUは、期限までのどのタイミングで取っても構いません。貯まった時点で、いつでも手続きできます。

だから、いま始めておくほうが圧倒的に楽です。3年後に60時間ぶんの学習をまとめて作るのは大変ですが、今日から数え始めるなら、いつも通り本を読んでいるだけで終わります。

もう一度だけ書いておきます。

60 PDUは、ビジネス書5冊分。

お金で買うものではありません。あなたがもう持っている時間を、記録するかどうかの話です。


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参考文献・出典

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