【この記事について】私が受講したのは2026年7月の試験改定より前のカリキュラムです。現在の講座は新試験(2026年版ECO)対応に更新されているため、最新のカリキュラム・受講料・特典はE-PROJECT公式サイトで確認してください。この記事では、制度が変わっても変わらない「講座の使い方・受ける価値」を中心に書きます。
PMPの講座選びで検索すると、どのスクールの公式サイトにも「高い合格率」「充実のサポート」と書いてあります。正直、公式情報だけでは違いが分かりません。知りたいのは、実際に受けた人が「何に価値を感じ、何に物足りなさを感じたか」のはずです。
私はE-PROJECTのPMP通学講座を、会社の補助なし・99,000円自腹で受講し、そのまま一発合格しました。受講を美化するつもりはありません。良かった点も物足りなかった点も、そのまま書きます。
結論:この講座の価値は「35時間」ではなく「PMIイズムの翻訳者」
先に結論を言います。講座の価値は、受験資格の35時間を消化できることではありません。PMIの考え方——いわゆるPMIイズム——を、日本の現場で働く会社員に分かる言葉へ翻訳してくれる人がいることです。PMP最大の壁は、知識の暗記ではなく自分の判断基準をPMIの判断基準にチューニングすることです。その調整を独りでやるか、翻訳者と一緒にやるか。私にとっての講座は、その翻訳者でした。
受講レポ:形式・授業・サポート・物足りなかった点
形式:土日昼の7時間×5回。対面とオンラインのハイブリッド
私が受けたのは、毎週土日の昼間、1回7時間×5回で合計35時間のコースです。対面とオンラインのハイブリッド開催で、私は対面を選びました。教室は10人ほど。働きながらでも「週末が5回つぶれる」と考えれば現実的な負荷で、平日は朝の自習に充てるリズムが作れました(勉強時間の全体像はこちら)。
良かった点①:例え話で、PMIイズムが腹に落ちる
一番良かったのはここです。講師が、PMIの考え方を例え話を使って説明してくれるのです。PMBOKの記述をそのまま読むと硬くて頭に入らない内容が、身近な例に置き換えられると「ああ、そういうことか」と腹落ちする。この「腹落ちの回数」が、判断型問題への対応力に直結しました。テキストを自力で読み込むだけでは、この回数は稼げなかったと思います。分からないところをその場で質問して、納得してから次に進めるのも対面の良さでした。
良かった点②:受験申請の翻訳サポートで、「英語の壁」が消えた
PMPは受験申請の段階で、実務経歴を英語で入力する必要があります。ここで挫折しかける人が実は多いのですが、E-PROJECTには申請サポートがあり、書き方の指導から添削、翻訳までやってくれました。おかげで私は、経歴を日本語で考えるだけで済んだのです。申請の負担が「英作文」から「自分の仕事の棚卸し」に変わるので、勉強に使える時間と気力がそのまま残ります。地味に見えて、大きな価値でした。
物足りなかった点:2冊のテキストの章立てが揃っていない
正直に書きます。講座ではPMPのテキスト(PMBOK系の教材)と講座独自のテキストを併用するのですが、2冊の章立てが同じ順番になっておらず、「いま、どこの説明をしているんだろう」と迷う場面がありました。授業についていけなくなるほどではありませんが、2冊を行き来する前提で、付箋やページ対応のメモを最初に作っておくと快適です。これから受ける人への実用的なアドバイスとして残しておきます。
費用の話:99,000円をどう考えるか
私の受講料は99,000円(教材費込み・会社補助なし)でした。複数の講座を費用込みで比較して選んでいて、E-PROJECTにした決め手は、当時あった合格お祝い金の制度です。合格すれば実質の負担額が他社より安くなる計算でした(現在の特典や価格体系は変わっている可能性があるので、必ず公式サイトで最新を確認してください)。
そして結果論ですが、合格後に勤務先から資格手当25万円が支給され、講座代と受験料を差し引いてもプラスになりました。手当の有無は会社の制度次第なので誰にでも当てはまる話ではありませんが、「講座代は高いか」を考えるときは、合格までの時間短縮と、不合格時の再受験コストまで含めて見ることをおすすめします。
講座初日の、少し先のあなた
——今までのあなた。夜、スクール各社のページを開いては閉じ、「どこも同じに見える」と決めきれずにいた。
——受講を決めた、これからのあなた。初回の講義で、PMBOKの硬い一文が例え話に置き換わった瞬間、こうつぶやくはずです。
「なるほど、そういうことか。これを独りで読み解くのは、しんどかったな」
私は、この講座の付属問題集と講義だけで合格まで行きました。市販のテキストは1冊も買っていません。翻訳者が付いた35時間は、独りの100時間より濃くなり得ます。
今日できること:比較の軸を1つに絞る
講座選びで迷ったら、比較の軸を「詰まったときに、質問して納得できる環境か」の1つに絞ってみてください。カリキュラムの網羅性はどの講座も大差ありません。差がつくのは、あなたが詰まった瞬間の選択肢です。その軸で各社の資料や説明会を見ると、判断は一気に速くなります。
あわせて読むと、PMP対策が深まる記事:
- 独学と講座で迷っているなら → PMPは独学と講座どっち?|分かれ目は費用ではなく「人に聞かないと納得できないタイプか」
- 全体の勉強時間・難易度を知りたいなら → PMPの難易度と勉強時間|働きながら一発合格した実体験を全部話す
- 合格の核心となる勉強法なら → PMPの判断型問題の対策|「合ってても、迷ったら戻る」でPMIの考え方にチューニングする
- 合格後のPDUの集め方なら → PMPのPDUの稼ぎ方|60 PDUは、ビジネス書5冊分の読書時間だった
- 当日の会場の様子を知りたいなら → PMP受験当日の流れ|集合8時・ロッカー・休憩ルールまで、初めてのテストセンターを疑似体験する
- 35時間の研修要件がこれから変わる話は → PMPの35時間研修|締切があるのは、試験ではなく研修のほうだった
- 講座で教わった申請の書き方を知りたいなら → PMPの経験の書き方|書くのは、成果物ではなく「あなたがやった作業」
この費用が回収できるのかが気になるなら、PMPの年収|「17%高い」は、取ったら上がるという意味ではないもあわせてどうぞ。私の場合、一時金では回収できましたが月給は動きませんでした。
参考文献・出典
- E-PROJECT「PMP試験対策 通学講座」 https://www.e-project.jp/lecture/pmp_school/
- PMI日本支部「PMP資格について」 https://www.pmi-japan.org/pmp_license/

