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PMPのPDUは読書で埋まる。前の記事でそう書きました。無料で、証明書も要らない、と。
読んでくれた人の反応は、だいたい同じところに落ち着きます。
じゃあ、何を読めばいいの。
ここで止まる人を、何人も見てきました。「読書でいい」と分かっても、次の一冊が決まらないと、結局「PDU 取得 セミナー」で検索し直すことになります。
この記事でお渡しするのは、60 PDUのうち57.5時間分を、分野の偏りなくまとめて片づける、6冊の組み合わせです。
冊数でなく、「分野」で選ぶ
先に結論を書きます。
冊数を揃えればいい、ではありません。3つの分野に、役割を当てて選ぶのです。
前の記事で触れたとおり、PMPのEducationには「Talent Triangle」という3分野があり、それぞれ最低8 PDUが必要です。
- Ways of Working — 進め方・手法の領域
- Power Skills — 対人・リーダーシップの領域
- Business Acumen — ビジネス理解の領域
好きなジャンルの本ばかり読んでいると、ここでつまずきます。冊数は足りていても、分野が偏って更新できないということが起こり得るからです。
だから、この記事の6冊は「面白そうな本を6冊」ではありません。3分野それぞれに、明確な役割を持たせて選んだ6冊です。

実際に読んだ2冊は、2分野に寄っていた
まず、私が実際に読んで申請した2冊の実績です。内訳はPMPのPDUの稼ぎ方で詳しく書いています。
| 本 | 読書時間 | WoW | Power | BA |
|---|---|---|---|---|
| 『7つの習慣』 | 14時間 | 3 | 11 | 0 |
| 『ワーク・シフト』 | 12時間 | 1 | 3 | 8 |
| 合計 | 26時間 | 4 | 14 | 8 |
Power Skillsは14で、最低ラインの8をとっくに超えています。Business Acumenも8で、ちょうど届いています。ですがWays of Workingは4しかありません。
2冊とも、たまたま興味があって読んだ本でした。ジャンルを選ばずに読むと、こうやって特定の分野に寄ります。次に読む本は、好きな分野からではなく、足りない分野から選ぶ必要がありました。
残りは、読書ペースから逆算する
60 PDUのうち、26時間分は読み終えて申請済みです。残る4冊は、Talent Triangleの空きマスを見ながら選びました。
読書時間は、本の分厚さと自分の読書ペースが分かれば、読む前からある程度見積もれます。実際に読んで申請した2冊は、ページ数で割ると、1時間あたり約42.5ページのペースでした(704ページ/14時間、402ページ/12時間の合計)。このペースを、残り4冊のページ数に当てはめました。
Ways of Working を埋める1冊
一番手薄な分野には、一番まっすぐな本を当てます。
『PMBOKはじめの一歩 スッキリわかるプロジェクトマネジメントの基本』(241ページ)は、タイトルの通りプロジェクトの進め方を基礎から説明した本です。Ways of Workingとして申請するのに、理由を考える必要がありません。手薄な分野は、こういう「当てはまることが疑いようのない本」から埋めるのが安全です。ペースから計算すると、目安は約5.5時間。これでWays of Workingは4時間から9.5時間まで伸びますが、最低ラインの8をようやく超える程度で、余裕はほとんどありません。一番手薄な分野だからこそ、後でもう1冊足すことにしました。

PMBOKはじめの一歩 スッキリわかるプロジェクトマネジメントの基本
Power Skills をさらに厚くする1冊
『レジリエンス:人生の危機を乗り越えるための科学と10の処方箋』(321ページ・目安約7.5時間)。「レジリエンス(困難から立ち直る力)」は、PMIがPower Skillsの構成要素として名前を挙げている資質のひとつです。対人スキルの本というと身構えますが、これは自分自身との向き合い方についての本です。すでに8を超えているPower Skillsですが、厚みがあるほど、他の分野で偏りが出たときの調整弁になります。

レジリエンス:人生の危機を乗り越えるための科学と10の処方箋
Business Acumen に厚みを持たせる1冊
『ピクサー流 創造するちから』(413ページ・目安約9.5時間)。ピクサーの共同創業者が、創造性と経営をどう両立させてきたかを書いた本です。リーダーシップ論として読むこともできますが、「創造的な組織を、事業としてどう成立させるか」という視点が強い本なので、Business Acumenの厚みとして選びました。『ワーク・シフト』1冊だけでは、Business Acumenは最低ラインぴったりで余裕がありません。
Ways of Working に、もう1冊念押しする
『クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?』(384ページ・目安約9時間)。プロジェクトがなぜ計画どおりに終わらないかを、小説形式で説明した本です。『PMBOKはじめの一歩』だけではWays of Workingが最低ラインを1.5時間分超えるだけで、余裕がほとんどありませんでした。3分野のうち一番余白が少ない分野には、もう1冊重ねておくのが一番効果的です。ここまでで、Ways of Workingは4時間から18.5時間まで伸びます。

クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?
6冊で、こうなる
| 本 | 分野 | 読書時間の目安 |
|---|---|---|
| 『7つの習慣』 | Power Skills | 14時間 |
| 『ワーク・シフト』 | Business Acumen | 12時間 |
| 『PMBOKはじめの一歩』 | Ways of Working | 約5.5時間 |
| 『レジリエンス』 | Power Skills | 約7.5時間 |
| 『ピクサー流 創造するちから』 | Business Acumen | 約9.5時間 |
| 『クリティカルチェーン』 | Ways of Working | 約9時間 |
| 合計 | 約57.5時間 |
この組み合わせなら、4時間しかなかったWays of Workingは18.5時間まで伸び、Power SkillsとBusiness Acumenにも1冊分の厚みが増えます。3分野とも、最低ラインに十分な余裕ができます。合計は約57.5時間。60まで残り約2.5時間分は、誤差の範囲です。分野で詰まる心配がなくなれば、あとは読み終えるだけです。
3年は、長いようで、月にすればたった36か月です。6冊(57.5時間)を36か月で割ると、1冊を読み終えるのに6か月以上かけていいということになります。分厚いビジネス書でも、通勤電車と寝る前の30分だけで十分間に合う速度です。
今日、選ぶのは1冊だけでいい
6冊を一度に用意する必要はありません。今の自分に足りない分野から、1冊だけ選んでください。
もし私のように「読みたい本を読んだら、たまたま2冊とも同じような分野だった」なら、次は分野を確認してから選ぶ番です。まだ1冊も読んでいないなら、Ways of Workingから始めるのが一番安全です。好きな本を自由に選ぶと、たいていここが手薄になるからです。
読み終えたら、CCRSでEducation > Readから申請するだけです。60 PDUは、期限までのどこで取っても構いません。今日、1冊選んでおけば、3年後には自然と揃っています。
あわせて読むと、PDUの理解が深まる記事:
- その本を読んでまで更新する価値があるのか、年収の面から知りたいなら → PMPの年収|「17%高い」は、取ったら上がるという意味ではない
- PDUの仕組みそのものを知りたいなら → PMPのPDUの稼ぎ方|60 PDUは、ビジネス書5冊分の読書時間だった
- 更新にいくらかかるか知りたいなら → PMPの更新費用|「会員だと安くなる」で入ると、かえって高くつく
- 期限に間に合いそうにないなら → PMPの期限|期限は2本ある。3年のあとの1年で、まだ戻れる
参考文献・出典
- PMI日本支部「PMP資格の更新について」 https://www.pmi-japan.org/pmp_license/renewal/
- PMI日本支部「CCRハンドブック」(Talent Triangleの分野区分・最低PDU) https://www.pmi-japan.org/pmp_license/renewal/ccr_handbook/


