PMPのテストセンター|選ぶ基準は近さではなく、前日までの仕事量

PMP・プロジェクトマネジメント

※当サイトはアフィリエイト広告(PR)を利用しています。

PMPの受験資格が通って、受験料を払って、いよいよ日程を決める段になったときのことです。

画面に、こう出てきます。

オンラインで受けるか、テストセンターで受けるか。

ここで手が止まる人は多いと思います。「テストセンターって、どこにあるんだろう」「近くになかったら、オンラインしかないのか」。そう思って調べはじめると、今度は情報がなかなか揃いません。会場の話をしているページと、自宅受験の話をしているページが、まったく別の場所にあるからです。

実はこれ、あなたの調べ方が悪いのではありません。PMPは、会場とオンラインで運営している会社そのものが違います。

この記事でお渡しするのは、会場一覧ではありません。2つのルートを、どの基準で選べばいいのかです。結論を先に書くと、基準は「近いかどうか」ではありませんでした。

選ぶ基準は、前日までに自分がやることが少ないほう

覚えるのはこれだけです。

テストセンターは、行くだけでいい。

オンライン受験は、移動がないぶん楽に見えます。ですが実際には、試験室を用意する仕事が、まるごと自分に乗ってきます。機材を揃え、部屋を片づけ、事前に接続テストを通し、当日は部屋を撮影して監督者の確認を待つ。ここまで全部やって、ようやくスタート地点です。

テストセンターは、その仕事が最初から存在しません。予約した日時に行って、本人確認書類を出す。それだけです。

「近くに会場があるかどうか」で決めようとすると、この差が視界に入りません。見るべきは距離ではなく、試験の前日までに自分の手元に残る作業の量です。

そう言い切れる理由を、3つ挙げます。

根拠1:オンラインのほうが、日程は狭い

いちばん誤解されているのがここだと思います。

「会場は土日が埋まっている。だからオンライン」という順番で考えている人がいます。ですがPMPの試験概要をまとめた資料によると、ATA社が実施するオンライン試験は月2回の実施と案内されています。毎日いつでも受けられる、という制度ではありません。

一方の会場受験は、ピアソンVUEの公式の予約手順を読むと、こういう手順です。

  • 地域名・住所・駅名・郵便番号などで検索し、テストセンターを最大3つまで選ぶ
  • そのうえで、カレンダーから日付と開始時間を選ぶ

候補地を3つ並べたうえで、カレンダーを見にいけるのが会場受験です。1つの会場が埋まっていても、それは「会場受験が埋まっている」ことにはなりません。

私自身、土日を狙ったときは2ヶ月先まで満席で、直近で空いていたのは千葉だけでした。それでもオンラインには流れず、東京の平日枠に有給を1日あてるという形で予約が取れています。このときの判断は別の記事に詳しく書きました。

「会場が空いていないからオンライン」は、順番が逆です。日程の自由度で比べるなら、選択肢が多いのは会場のほうでした。

根拠2:オンラインは、試験室を作るところから受験者の仕事

次に、当日までにやることの量を並べます。

オンライン受験(ATA社)で必要になるものは、実施ベンダーの変更を伝えた案内にこう挙げられています。

  • デスクトップまたはノートパソコン
  • 内蔵または外付けのウェブカメラ
  • 第2の監視システム用のスマートフォンまたはタブレット
  • そのスマートフォンを固定するホルダー

パソコンのカメラだけでは足りず、自分と机まわりを別の角度から映すためのカメラをもう1台、決められた位置に固定します。さらに専用クライアントを入れ、本番前に模擬テストで環境が通るかを確かめておく必要があります。当日は身分証の撮影や、部屋の様子を確認する手順も入ります。

対してテストセンターの持ち物は、本人確認書類だけです。ピアソンVUEは私物を試験室に持ち込めないと明記していて、「基本的にその他に必要な持ち物はありません」とまで書いています。当日の流れをまとめた記事でも書きましたが、荷物はすべてロッカーです。

ここで、正直に私の話を書きます。私はオンライン受験という選択肢を知ったうえで、選びませんでした。理由は立派なものではなく、環境を整えて、機材を揃えて、事前テストまで通すのが面倒だったからです。テストセンターなら行くだけで済む。それだけの理由でした。

ただ、いま振り返ると、この面倒くささには意味がありました。準備が要るということは、当日までのあいだ「まだやっていないこと」を抱え続けるということです。勉強に使いたい最後の数日に、カメラの位置を気にする余白は、あまりありません。

根拠3:本番前に増えた心配ごとは、そのまま得点を削る

3つめは、当日のパフォーマンスの話です。

心理学に、プレッシャーがかかった状況で成績がどう変わるかを調べた有名な実験があります。ベイロックとカーの研究(2005年、Psychological Science)では、数学の問題を使って、プレッシャーのある条件とない条件で解答の正確さを比べました。

結果は、直感とは少し違うものでした。プレッシャーで成績が落ちたのは、作業記憶の容量が高い人のほうだったのです。しかもその低下は、作業記憶をたくさん使う問題に集中して現れました。

研究者の説明はこうです。プレッシャーは、心配ごとという形で作業記憶を占領します。ふだん作業記憶をフルに使って解いている人ほど、占領されたときに失うものが大きい。だから、得意な人ほど本番でつまずくことがある。

PMPの問題は、状況が長々と説明されて「このときPMは何をすべきか」を問う形式です。登場人物、フェーズ、すでに起きたこと。頭の中にいくつも情報を並べたまま判断する、まさに作業記憶を使う試験です。

その試験の直前に、「接続は大丈夫か」「カメラの角度は指示どおりか」「家族が部屋に入ってこないか」という心配を自分で足す。これは勉強量とは無関係のところで、得点を削りにいく行為になりかねません。

もちろん、静かな個室があって機材も揃っていて、自宅のほうが落ち着くという人はいます。その人にとってはオンラインが正解です。大事なのは、どちらが本番に心配ごとを持ち込まずに座れるか、で選ぶことです。

受験ルートを決めきったあなたの、少し先の未来

——今までのあなた。会場一覧のページと、オンライン受験の体験記のあいだを行ったり来たりしています。どちらにも「こんなに大変」と書いてあって、決め手が見つからない。予約はまだ取っていません。

そこから先のあなたは、こうなります。

試験当日の朝。持っているのは財布と免許証だけです。駅から歩いて、受付で名前を伝えて、荷物をロッカーに入れます。案内された席に座って、画面が切り替わるのを待ちながら、ひとつだけ思います。

「あとは、解くだけだ」

準備することが少ない日は、その分だけ試験そのものに向き合えます。

私が会場を選んだのも、突き詰めればここでした。面倒だから避けた、という消極的な選び方でしたが、結果として当日の朝にやることは「行く」しか残っていませんでした。カメラの位置を直す時間があったなら、たぶん私はその時間、そわそわしていたと思います。

受験方法を選ぶ画面が来る前に、部屋を一度見回してください

最後に、いま5分でできることを書きます。

自分の部屋を見回して、そこを2〜3時間の試験室にできるかを想像してみてください。机の上に何も置かない状態にできるか。手元を映すスマホを固定できるか。その時間、誰にも入ってこないと言い切れるか。

想像してみて少しでも詰まったなら、あなたの答えは会場受験です。あとは日程だけを見ればよくなります。迷う対象が2つから1つに減るだけで、予約はぐっと進みます。

迷ったときの拠りどころも書いておきます。PMI日本支部の受験予約のページは、会場受験はピアソンVUE社、オンライン受験はATA社と指定したうえで、こう案内しています。予約・確認・変更・キャンセルは、テストセンターの案内を必ず確認したうえで手続きをすること。

つまり細かいルールは、資格を出す団体ではなく、試験を運営する会社の側にあります。調べても断片しか出てこなかった理由は、これでした。読みにいく先さえ分かっていれば、迷子にはなりません。

もう一度だけ書いておきます。

テストセンターは、行くだけでいい。

受験方法は、勉強法ではありません。点数を上げる工夫ではなく、点数を減らさないための工夫です。減らさない選択を先に済ませて、残りの時間は全部、問題を解くほうに使ってください。


あわせて読むと、受験までの段取りが固まる記事:

参考文献・出典

タイトルとURLをコピーしました