危険物甲種はいきなり受けていい?|化学系出身の私があえて乙4を先に受けた理由

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大学で化学系の単位を取っているから、危険物甲種の受験資格はある。「化学系出身なら乙種を飛ばして、いきなり甲種がお得」という記事も読んだ。それなのに、申込画面の前で手が止まっていませんか。「試験の雰囲気も問題の傾向も知らないまま、最上位の甲種を一発勝負していいんだろうか」と。

その迷いは、変ではありません。この記事では、受験資格を持ちながらあえて乙4を先に受け、その3ヶ月半後に甲種へ一発合格した実体験から、「乙4を模試として使う」という受け方をお伝えします。

「いきなり甲種はお得」——でも一発勝負が不安なあなたへ

受験資格がある人にとって、いきなり甲種はたしかに合理的です。乙種を経由する分の受験料も勉強時間も節約できます。自信があるなら、いきなり甲種で申し込んでしまって構いません。

一方で、危険物取扱者試験を一度も受けたことがない人には、見えないものが多すぎるのも事実です。会場の空気、問題用紙の言い回し、時間配分、マークシートのペース。「もし落ちたら、次の試験日までまた数ヶ月……」と考え始めると、申込ボタンはどんどん重くなります。

解決策:迷うなら、乙4を「本気の模試」として先に受けていい

いきなり甲種に踏み切れないなら、乙4を「本番形式の模試」として先に受ける戦略があります。乙4の試験科目は甲種と地続きなので、乙4の勉強はそのまま甲種の前半戦になります。遠回りに見えて、捨て時間がほとんど発生しないのです。

ポイントは、乙4を「格下の試験」ではなく「お金を払う価値のある模試」と捉え直すことです。市販の模試では手に入らない、本物の会場・本物の緊張感・本物の出題傾向を、5,300円で体験できます。しかも合格すれば乙4の免状という実利まで残ります。

乙4経由が遠回りにならない3つの根拠

根拠①:試験科目が地続きで、乙4の勉強がそのまま甲種に乗る

乙4と甲種は、どちらも「法令」「物理学・化学」「性質・消火」の3科目構成です。法令は出題範囲がほぼ共通で、乙4で覚えた内容が甲種でもそのまま土台になります。物理・化学は甲種のほうが明確に深く問われますが、乙4の「基礎的な物理学・基礎的な化学」を固めてあれば、ゼロからではなく積み増しで済みます。そして性質・消火は、乙4で覚える第4類がそのまま甲種の出題範囲の一部です。つまり乙4の勉強時間は、1時間も無駄になりません。

根拠②:「模擬テスト」は科学的に最高評価の学習法

心理学者ダンロスキーらが2013年に発表した大規模なレビュー研究では、要約・再読・蛍光ペンなど10種類の学習法の効果が比較されました。その中で「効果が高い」と評価されたのは、模擬テスト(問題を解いて自分を試すこと)と分散学習のたった2つだけです。本番の乙4試験は、時間制限も緊張感も本物の、これ以上ない模擬テストです。自分の実力と弱点が、市販の問題集より正確にわかります。

根拠③:模試としてのコストが低い——受験料5,300円、試験機会は豊富

乙4の受験料は5,300円(甲種は7,200円)。危険物取扱者試験の中でも受験機会が多く、東京では月に複数回、地方でも年に複数回実施されています。本命の甲種の日程を動かさずに、その手前に「模試」として差し込みやすい試験なのです。TOEICや模試に数千円払うことを考えれば、免状という実利つきの模試としては十分安い投資です。

乙4の帰り道、「次は甲種だ」と迷いが消えている

——今までのあなたは、「いきなり甲種」と「やっぱり不安」の間で申込画面を開いては閉じ、日程だけが過ぎていたかもしれません。

——乙4を模試として受けたこれからのあなたは、試験会場からの帰り道、こう思っているはずです。

「試験がどんな感じか、もうわかった。この勉強の流れのまま、次は甲種だ」

少し、私自身の話をさせてください。私は化学系の大学出身で、最初から甲種の受験資格がありました。本命はあくまで甲種。ただ、会社の推奨資格だったことに加え、甲種の試験日まで時間があったので、試験の雰囲気と問題傾向を知る目的で、先に乙4を受けました。

結果として、この順番は正解でした。乙4で法令という壁を先に経験できたうえ、合格後も「せっかく覚えたことを忘れるともったいない」と勉強を止めずに続けられた。そのまま平日2時間・休日2時間のペースを保ち、乙4合格から約3ヶ月半後、甲種に一発合格できました。手元には甲種と乙4、2つの免状が残っています。

今日できること:直近の試験日程を調べて、どちらかに申し込む

消防試験研究センターのサイトで、あなたの受験地の直近の試験日程を調べてみてください。そして、乙4でも甲種でも、どちらでもいいので申し込んでしまいましょう。迷いを断ち切るのは情報収集ではなく、申込完了の画面です。勉強は、申し込んでから始めれば間に合います。

いきなり甲種でも、乙4を模試にしてからでも、ゴールは同じです。あなたの性格に合うほうの申込ボタンを、今日押してみてください。


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参考文献・出典

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