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「資格手当 相場」で検索すると、業界別の金額がいろいろ出てくる。でも、どのサイトを見ても数字がバラバラで、しかも自分の業種と完全に一致する例は見つからない。結局、自分の資格に手当がつくのかどうか、いくらもらえて当然なのか、はっきりしないまま終わる。
資格を取ったのに給料が変わらない。周りは手当をもらっているらしいのに、自分は聞いたこともない。それが「自分の資格が軽いから」なのか、「会社がケチだから」なのか、判断がつかないまま、もやもやが残る。
先に結論を書きます。相場の金額より先に見るべきは、あなたの資格を法律がどう扱っているかです。業種によって、法律の義務づけ方がまったく違います。ここが分かれば、自分の資格が手当のつきやすいタイプかどうかが判断できます。
結論——法律の義務づけ方は3パターンある
「配置義務型」「業務独占型」「法的根拠なし型」。あなたの資格がどれに当てはまるかで、話が変わります。
公的統計を見ておくと、「技能手当、技術(資格)手当など」を支給している企業は、全企業のうち48.5%です(厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」・令和6年11月分)。もらっている労働者1人あたりの平均支給額は月21.5千円。つまり、出している会社と出していない会社がほとんど半々に割れていて、その分かれ目をつくっているのが、業種の法的な扱いの違いです。理由を、業種ごとに説明します。

根拠1:建設業は「配置義務型」——席の奪い合い
建設業法第26条は、こう定めています。
建設業者は、その請け負つた建設工事を施工するときは……主任技術者を置かなければならない。
一定規模以上の工事では、さらに「監理技術者」を置く義務もあります。これは製造業の安全管理者・衛生管理者と同じ構造で、事業場ごとに置くべき人数が決まっている「配置義務型」です(製造業の構造は製造業の資格手当|法律が決めているのは、金額ではなく人数だったで詳しく書きました)。席の数は決まっていて、すでに埋まっていれば、二人目に手当は出にくい。逆に、その資格を持つ人が現場に足りていなければ、手当がつきやすくなります。
建設業で今の資格が市場でどう評価されるか気になるなら、建設業界に特化した転職エージェントに無料で相談する方法もあります。
根拠2:電気工事士は「業務独占型」——全員必須だから希少にならない
電気工事士法第3条は、こう定めています。
第一種電気工事士免状の交付を受けている者……でなければ、自家用電気工作物に係る電気工事の作業……に従事してはならない。
これは「何人置け」という配置義務ではありません。その作業をする人は、全員が資格を持っていなければならないという業務独占の規定です。配置義務型と違い、席の奪い合いにはなりません。ただし、電気工事の作業に携わる人は全員この資格を持っているのが前提なので、資格自体の希少性は薄くなります。「受ければ受かる資格は、希少にならない」という構造は、フォークリフトに手当はつく?|法律が命じているのは「取らせろ」だけだったで書いたものと同じです。
根拠3:ITは「法的根拠なし型」——会社の制度が全て
IT分野の代表的な国家資格に「情報処理安全確保支援士」がありますが、この資格を持つ人材を企業に置くことを義務づける法律は、現時点で存在しません。配置義務も業務独占もない以上、手当をつけるかどうかは完全に会社の任意の制度次第です。法律の後ろ盾がない分、「規程に書かれているかどうか」を確認することが、他の業種以上に重要になります(規程の確認方法は資格手当がないのは違法?|出している会社は半分。法律は払えと命じていないにまとめました)。
——分かれ目が分かった、あなたへ
——ネットの相場の数字を見て、自分に当てはまるのか分からずにいたあなた。
——業種ごとの法律の扱いを確認したあなた。
自分の資格が「配置義務型」「業務独占型」「法的根拠なし型」のどれに当てはまるかで、手当のつきやすさの理由が見えてきた。今の給料が「自分の資格が軽いから」ではなく、「会社の制度や業種の構造」で決まっていることも分かった。
今日から、確認してほしいこと
最後に、今日からできることを書きます。
まず、自分の資格が3パターンのどれに近いかを考えてください。そのうえで、今の会社の給与規程に資格手当の条項があるかを確認します。規程に無ければ、今の会社でその資格に価値がつくことは期待しにくいということです。
それでも「自分の資格が、他の会社ならいくらになるのか」が気になるなら、市場での評価を確かめる方法もあります。ITエンジニアとして働いているなら、ITエンジニア専門の転職エージェント【テックゴー】に相談すれば、自分の経験が今どのくらいの市場価値か、無料で確認できます。
どんなサービスかを先に知っておきたい方は、テックゴーに相談すると何がわかるか|年収が上がった人は、がんばった人ではなかったにまとめました。製造業ならメーカーズジョブに相談すると何がわかるか|上がらないなら、今の職場でいいを、資格手当そのものの仕組みをもう一度確認したいなら資格手当がないのは違法?|出している会社は半分。法律は払えと命じていないを参考にしてください。
参考文献・出典
- 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査 結果の概況(賃金制度)」第17表・第18表 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/25/dl/gaiyou02.pdf
- e-Gov法令検索「建設業法(昭和二十四年法律第百号)」第26条 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100
- e-Gov法令検索「電気工事士法(昭和三十五年法律第百三十九号)」第3条 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000139
- IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「情報処理安全確保支援士」制度概要 https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/seido/shikaku.html



