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科目Aは、過去問道場でどうにかなりました。何百問あるので、回しているうちに正答率が上がっていく。ところが科目Bに来て、あることに気づきます。
問題が、尽きる。
何周かすると、答えを覚えてしまった問題ばかりが回ってくる。もっと解きたいのに、解くものがない。それで「科目B 参考書」と検索すると、今度はおすすめが10冊も20冊も並んでいて、どれも「分かりやすい」と書いてある。決め手がありません。
この記事の立場ははっきりしています。分かりやすさで選ぶのはやめましょう。読むまで確かめようがないからです。代わりに、買う前に必ず確かめられるものがあります。その本が、オリジナル問題を何問持っているか。科目Bに限っては、これが本にお金を払う理由のほぼすべてです。
解決策:オリジナル問題の数で選ぶ。4冊を役割で分けます
科目B専用の本は10種類以上出ています。全部を比べる必要はありません。いま自分に足りないのが「量」なのか「入口」なのか、それとも「解く速さ」なのかで決めてください。
①2025-2026 基本情報技術者 科目Bの重点対策(アイテック)——とにかく量がほしい人へ
全47問の演習問題を収録しています。631ページ、2,640円(税込)。今回挙げる中でいちばん厚く、いちばん問題が多い1冊です。章立てはプログラムの基本要素・データ構造・アルゴリズム・プログラミングの諸分野への適用・情報セキュリティと、科目Bの出題範囲に沿って並んでいます。
「擬似言語の読み方はもう分かる。あとは数をこなしたい」という段階の人は、これが最短です。

2025-2026 基本情報技術者 科目Bの重点対策(アイテック)
②[改訂新版]基本情報技術者【科目B】アルゴリズム×擬似言語 トレーニングブック(技術評論社)——量と解説のバランスで選ぶなら
2024年9月2日発行の改訂新版、304ページ、2,200円(税込)。表紙に収録内訳がそのまま書かれていて、オリジナル例題40問+公開サンプル21問。目次を数えても、基本例題15問と応用例題25問でオリジナルはたしかに40問あります。
そしてこの本には、買う前に確かめられる特典がひとつあります。出版社のページに、こう書かれています。
※2025年7月に公開された令和7年版の公開問題の解答・解説PDFも、新規書き下ろしで追加いたしました。
改訂を待たずに、最新の公開問題へ追いついているということです。年度が変わるたびに買い直したくない人にとっては、これが決め手になります。

[改訂新版]基本情報技術者【科目B】アルゴリズム×擬似言語 トレーニングブック(技術評論社)
③[改訂新版]基本情報技術者【科目B】ゼロからわかるアルゴリズムと擬似言語(技術評論社)——擬似言語が初めての人へ
2025年2月12日発行の改訂新版、304ページ、2,200円(税込)。オールカラーで、収録は例題13問+演習問題15問で合計28問。3冊の中では問題数が最も少なく、そのぶんページを解説に使っています。
問題数が少ないことは、この本にとっては欠点ではありません。「変数の値を追う」という動作そのものが、まだ手についていない人向けだからです。ここでつまずいている段階で47問の問題集を買っても、最初の数問で止まります。

[改訂新版]基本情報技術者【科目B】ゼロからわかるアルゴリズムと擬似言語(技術評論社)
一言でまとめます。
- 量がほしい → 科目Bの重点対策(アイテック・47問)
- 量と解説の両方、そして最新の公開問題まで → トレーニングブック(技術評論社・オリジナル40問)
- 擬似言語がまだ読めない → ゼロからわかる(技術評論社・28問)
- 解けるのに時間が足りない → 最短合格 学べる【科目B】問題集(技術評論社・37問/※素材は公開問題)
※価格・版は2026年8月時点のものです。購入前に新しい版が出ていないか確かめてください。
④最短合格 基本情報技術者 学べる【科目B】問題集(技術評論社)——時間内に解き終わらない人へ
2025年9月9日発行、288ページ、1,980円(税込)。今回の4冊でいちばん安く、いちばん薄い1冊です。収録は37問。
ただし、この本には先に知っておいてほしい前提があります。37問の内訳は、出版社の説明で「公開過去問題№01〜37」とされています。つまり素材は公式が出した問題で、無料で解ける範囲と重なります。「問題の在庫を増やす」目的で買うと、期待とずれます。
それでも候補に残しているのは、この本が狙っているものが在庫ではないからです。出版社は「全20問を100分で解くことから、1問当たり5分で解き終わる必要があります」という時間の制約を前面に出し、「出題パターンに応じた解き方」に紙幅を割いています。問題は解けるのに時間内に終わらない——その段階の人には、①〜③より効きます。


最短合格 基本情報技術者 学べる【科目B】問題集(技術評論社)
根拠①:過去問道場が持っているのは、公式が出した問題だけ
「そもそも無料で足りるのでは」——ここをはっきりさせておきます。
科目Aで多くの人が使う過去問道場には、科目B版もあります。ただしそのページには、収録範囲がこう明記されています。
公開済みの科目B問題(全50問)の中からランダムに出題する
「公開済みの」という限定に注目してください。ここにあるのは、IPAが公開した問題です。オリジナル問題は入っていません。だから公式素材だけで作られた本を買っても、あなたの持ち問題は1問も増えないことになります。
逆に言えば、無料で解ける範囲はここで確定します。過去問道場をやり切ったかどうかが、本を買うべきかどうかの判断基準そのものです。まだ残っているなら、買うのは後でいい。尽きているなら、そのとき初めてオリジナル問題にお金を払う意味が出ます。
根拠②:本物の問題は、年に6問しか増えない
「待っていれば公式がもっと出すのでは」と思うかもしれません。増えます。ただし、速度が違います。
IPAが公開している問題冊子には、それぞれこう注記されています。
実際の試験は20問で構成されますが,そのうちの6問を公開しています。
科目Aのほうは「実際の試験は60問で構成されますが,そのうちの20問を公開しています。」です。1年に増える本物は、科目Aが20問、科目Bが6問。3倍以上の差があります。科目Aで問題が尽きなかったのに科目Bで尽きるのは、あなたの解くペースが速いからではなく、供給量がそもそも違うからです。
さらにIPAは、「令和2年度から令和4年度までの情報セキュリティマネジメント試験(SG)及び基本情報技術者試験(FE)の問題は非公開のため、問題、解答例等は掲載していません。」とも書いています。過去にさかのぼって取りにいくこともできません。
つまり無料の在庫は、待っても年6問ずつしか増えない。この一点だけで、オリジナル問題を持つ本の価値は決まります。
根拠③:「分かりやすさ」は、買う前に確かめようがない
おすすめ記事を読み比べていると、判断材料がほとんど「分かりやすい」「初心者向け」「図解が豊富」に集約されていることに気づきます。ここに落とし穴があります。
分かりやすいかどうかは、あなたが読んでみるまで分かりません。しかも同じ本でも、擬似言語を初めて見る人と、一度つまずいてから戻ってきた人とでは、感じ方が変わります。他人にとっての分かりやすさは、あなたの判断材料になりにくいのです。
一方で、買う前に誰でも確かめられる事実もあります。
- 収録している問題数——目次や商品ページに書いてあります
- そのうちオリジナルが何問か——公開問題を使っている本は、たいていそう明記しています
- 改訂年——最新の公開問題に追いついているかの目安になります
この3つなら、レビューを何十件も読まなくても、商品ページを開けば5分で確認できます。確かめようのないもので迷い続けるより、確かめられるもので決めるほうが速い。この記事で挙げた3冊も、すべてこの3つの事実だけで並べています。
なお、そもそも科目Bをどう解くかについては基本情報技術者の勉強法に書きました。本を増やす前に、やり方のほうが先です。
問題の在庫が尽きなくなった、あなたの少し先の未来
——今までのあなた。過去問道場を開いて、3問目で「あ、これ知ってる」と手が止まる。答えを覚えているだけなのに正解してしまうので、伸びているのかどうかも分からない。それでも他に解くものがないから、また同じ画面を開く。
——本を1冊足した、これからのあなた。机の上には見たことのない擬似言語が並んでいます。変数の表を紙に書きながら、3周目のループでペンが止まる。
「この形、この前の問題と同じだ」
初めて見る問題なのに、どこかで見た形が混じっている。それに気づけるのは、覚えた問題が増えたからではなく、初見の問題を解いた回数が増えたからです。
科目Bは20問しか出ません。1問あたり5分。その5分で手が動くかどうかは、本番までに初めて見る問題を何問こなしたかで決まります。無料の在庫が尽きた地点から先は、そこにお金を使うのがいちばん効率がいい場所です。
まず、残りが何問あるか数えてください
いきなり買わなくて構いません。今日やることは、過去問道場の科目Bを開いて、まだ解いていない問題が何問残っているかを確かめることです。
残っているなら、本はまだ要りません。無料の分を先に使い切ってください。尽きていたなら、そのときが買うタイミングです。上の一言基準で選んでください——量なら重点対策、バランスならトレーニングブック、擬似言語が初めてならゼロからわかる、時間が足りないなら最短合格。
1冊決めたら、最初の1問は必ず紙に変数の表を書きながら解いてください。買った本の問題数は有限です。ページをめくる速さではなく、1問をどれだけ使い切るかで結果が変わります。
科目Aで通用したやり方は、科目Bでは通用しません。足りないのはあなたの努力ではなく、問題の在庫です。そこだけ、お金で買えます。
参考文献・出典
- 情報処理推進機構(IPA)「情報セキュリティマネジメント試験(SG)及び基本情報技術者試験(FE) 公開問題」(科目A・科目Bの公開問題数) https://www.ipa.go.jp/shiken/mondai-kaiotu/sg_fe/koukai/index.html
- 情報処理推進機構(IPA)「試験問題・解答例」(令和2年度から令和4年度までのFEの問題は非公開) https://www.ipa.go.jp/shiken/mondai-kaiotu/index.html
- アイテック「2025-2026 基本情報技術者 科目Bの重点対策」(631頁・全47問の演習問題) https://www.itec.co.jp/store/products/detail.php?product_id=3872
- 技術評論社「[改訂新版]基本情報技術者【科目B】アルゴリズム×擬似言語 トレーニングブック」(収録問題数・追加PDF) https://gihyo.jp/book/2024/978-4-297-14271-1
- 技術評論社「[改訂新版]基本情報技術者【科目B】ゼロからわかるアルゴリズムと擬似言語」(収録問題数) https://gihyo.jp/book/2025/978-4-297-14754-9
- 技術評論社「最短合格 基本情報技術者 学べる【科目B】問題集」(収録問題の内訳) https://gihyo.jp/book/2025/978-4-297-15128-7

